私の人生の小ネタ 小さなおじさん編

ある日

満員電車に乗っていた。

途中乗客の入れ替わりがあり

私の肩位の背丈の

小さなおじさんが隣に立った。

 

いくつか駅を通り過ぎた頃

おじさんが

向かいに座る女子に向かって

死ね!死ね!死ね!と言い出した。

 

はじめは

小さい声だったが、やがて車内に響く位になった。

向かいに座る女子は下を向き

とても困った様子だった。

 

ガタン~ガタン~

電車が揺れる。

オットト。

 

満員電車なのに

私とおじさんの周りに隙間が出来ている。

車内が

こわーい。なんなの〜😣という雰囲気

私も皆と同じように顔をそむけた。

 

それでも、おじさんの

暴言は続く。

 

死ね、死ね、死ね、死ね、、。

死ね、死ね、死ね、死ね、、。

 

300回は聞いた頃

私の中の何かが弾けた。

ピキーン!!

もう、いいんじゃない?

でも、何をする?どうしたらいい?

 

ガタン、ガターン。

キキーッ。

 

降りる駅に着いた。

私は何も言わず

おじさんの正面に立ち真顔でおじさんを見据えた。

 

そうしたら!!

 

小さなおじさん

ナメクジに塩かけたみたいに

シュルシュルと身を縮めて

持ってた本に顔を隠した。

 

その姿を見て笑いそうになってしまったが真顔を貫き

私は電車を降りた。

 

もっと早く、そうしたら良かったかな?

もう、一生分、死ねを聞かされちゃったよ。げぷっ。